台風が近づくと、茶園では排水や被覆資材、幼木の風害などへの備えが必要になります。営農型太陽光発電を導入している茶園では、これらに加えて、太陽光パネル、架台、基礎、配線、パワーコンディショナ(PCS)などの安全も確認しなければなりません。
ただし、農家が設備を自分で修理するという意味ではありません。営農型太陽光発電では、農業の現場に電気設備が共存しています。農家が安全な範囲で確認する項目と、発電事業者や電気・構造の専門家が点検する項目を分けておくことが重要です。
本記事では、NITE(独立行政法人製品評価技術基盤機構)の注意喚起、NEDOの技術資料、実際の倒壊事例、農林水産省などの茶園向け技術情報を基に、台風接近前・通過中・通過後の確認事項についてご案内します。
最も大切な原則
風雨が強まってから現地へ行かない。破損・浸水した設備に触れない。異常を見つけた農家は近づかず、発電事業者または保守点検担当者へ連絡する。
なぜ営農型太陽光発電では台風への備えが重要なのか
太陽光発電設備は屋外にあり、風雨を長期間受け続ける設備です。営農型太陽光発電では、農作業の空間を確保するため、一般的な地上設置型より高い位置にパネルを設けることがあります。高さだけで危険性が決まるわけではなく、架台、接合部、基礎、地盤を一体として設計・維持する必要があります。
さらに、パネルの下では人が作業し、農業機械も走行します。設備の一部が外れた場合、落下や飛散だけでなく、断線したケーブルへの接触、傾いた支柱との衝突、通路の閉塞などが二次災害につながりかねません。
NITEが2026年8月25日に公表した分析によると、全国の自家用電気工作物では、2020~2025年度の6年間に自然災害に起因する電気事故が332件報告され、そのうち261件が太陽電池発電所で発生していました。また、太陽電池発電所の台風起因事故では、36.0%が敷地外へのパネル飛散や土砂流出などによって第三者の物件に被害を与えた事故でした。件数は2026年5月時点の集計値であり、今後変動する可能性があります。
この36.0%は、全太陽光発電所の事故率ではありません。電気関係報告規則に基づき報告された、自家用電気工作物の台風事故に占める割合です。それでも、報告事故のうち発電所外へ影響が及んだ割合の高さは、重く受け止める必要があります。NITE「台風による太陽電池発電所での電気事故」
実際に起きた事故から分かる三つのリスク
以下のうち、最初は営農型太陽光発電の事例、二つ目と三つ目は設置形態を限定しない太陽電池発電所の事例です。後者も、パネル、架台、PCSなどを使う営農型設備に共通する事故リスクとして取り上げます。
1.強風だけでなく、豪雨と地盤の組み合わせで倒壊する
2023年8月15日、台風7号の影響を受けた三重県伊賀市で、営農型太陽光発電のテストプラントが倒壊しました。運営会社が同月23日に公表した初期報告では、倒壊前に太陽光モジュールや架台そのものの破損・変形は映像上確認されず、基礎部分から倒れたとされています。
同社は、発生前24時間に150.5mm、直前4時間に106mmの雨が観測されたことなどから、集中的な豪雨による地盤の緩みと東からの暴風が影響したとみていました。ただし、これは事故発生8日後の初期報告で示された見解です。公表時点では調査中であり、確定した事故原因として扱うことはできません。人的被害や近隣への二次被害は確認されなかったと報告されています。ノータスソーラージャパン「台風7号による当社伊賀テストプラントの被害状況について」
この事例が示すのは、パネルやボルトだけを見ても十分ではないということです。杭の露出、支柱周辺の洗掘、地盤の亀裂、法面、排水経路まで確認しなければなりません。
2.パネルや架台の一部が敷地外へ飛散する
NITEは、2023年8月の台風でパネル2枚が飛散し、1枚が敷地外の河川へ落下した事故を紹介しています。この事例では、強風の負圧荷重がアルミフレームの接合部に作用し、変形・破断したと推定されました。ほかにも、固定金具の隙間、ナットの脱落、ボルトの緩み、横材の損傷が立入検査で確認されています。
日常点検で小さな緩みや腐食を見逃さないこと、台風前の専門点検で固定部と構造を確認することが、飛散事故の抑制につながります。ただし、高所での点検や増し締めは、設備の仕様を理解した保守点検担当者が行う作業です。
3.水が引いた後も、感電・出火のおそれが残る
NITEの資料には、2022年9月の台風で河川が氾濫し、最下段のPCSとパネルが水没した後、PCSから出火した事例も掲載されています。太陽光パネルは、系統停電中やPCS停止後でも、光が当たれば直流電力を発生し得ます。
NEDOも、接続箱で電路を開放したりPCSを停止したりしても、日射があればパネル側には電圧がかかり続けると注意しています。浸水したPCS、接続箱、切れたケーブル、外れかけたコネクタには近づかず、電気主任技術者などへ連絡してください。NEDO「営農型太陽光発電システムの設計・施工ガイドライン2025年版」
なお、NEDOのガイドラインは法令そのものではなく、設計・施工・維持管理上の技術的な参考資料です。法令に定められた義務と、ガイドラインの推奨事項は分けて理解する必要があります。
台風接近前のチェックリスト
対策は、風雨が強まる前に終えるのが基本です。気象庁も、暴風・強風時の屋外活動は危険であり、台風対策は風が強くなる前に行うよう呼びかけています。
農家が安全な範囲で確認すること
- 気象庁の台風情報、警報・注意報、キキクル、自治体の避難情報を確認した
- 発電事業者、保守点検担当者、土地所有者、営農者の緊急連絡先がすぐ分かる
- 茶園内の道具、コンテナ、脚立、ホース、シート、空容器などを屋内へ移した、または飛散しないよう固定した
- 棚に展張している遮光ネットなどの栽培用被覆資材は、設備管理者と確認のうえ撤去した。撤去できない場合は、風で広がらないよう確実に固定した
- 使用していない被覆資材、ロープ、留め具などを撤去または固定した
- 側溝、排水口、明渠(めいきょ)の落ち葉・土砂を、作業が安全なうちに除去した
- 農道、出入口、法面、石垣に亀裂・沈下・崩落の兆候がない
- 新植・幼木の株元を確認し、必要に応じて土寄せや支柱への結束を行った
- 摘採期に当たる場合は、茶葉の状態や製造・販売計画を踏まえ、台風前に摘採できるか関係者と検討した
- 摘採機、防除機、運搬車を浸水や飛来物の危険が少ない場所へ移した
- 設備周辺を地上から見て、傾き、異音、垂れ下がった配線、外れかけた部材、杭周辺の土の流失などがない
- 異常箇所を写真と位置情報で記録し、自分で触らず設備管理者へ連絡した
農林水産省が2026年6月26日に出した技術指導では、茶園の明渠などの点検・補修、摘採期における台風前の摘採、棚施設からの被覆資材の撤去などが示されています。撤去できない資材は、風で広がらないよう固定しましょう。被覆資材を営農型太陽光の架台へ取り付けている場合は、配線や設備部材を傷めないよう、発電事業者や保守点検担当者と作業方法を確認してください。新植・幼木への土寄せや結束などは京都府の技術情報も参考になりますが、必要な対策は地域や生育段階によって異なります。地域の農業改良普及センターやJAの指導内容も確認しておくことをおすすめします。
農林水産省「台風第7号・第8号及び梅雨前線の影響による大雨に伴う農作物等の被害防止に向けた技術指導の徹底について」
発電事業者・保守点検担当者が確認すること
- 遠隔監視、警報通知、通信回線が正常に動作している
- 非常時の運用・停止手順と、操作できる担当者を確認した
- モジュール、固定金具、架台接合部、ボルト・ナットに緩み、脱落、変形、腐食がない
- 支柱・杭の傾き、基礎周辺の洗掘や以前より大きな露出がない
- PCS、接続箱、受変電設備の扉・施錠、防水部、ケーブル保護管、注意表示に異常がない
- 設計時に想定した耐風性能と地盤条件を構造計算書・設計図書で確認できる
- 側溝、排水口、法面、擁壁を確認し、雨水の流れが設備設置後に変わっていない
- 敷地外へ飛び得る資材や仮設物を撤去・固定した
- 事故、火災、設備停止、第三者被害が生じた場合の通報先と初動を確認した
- 保険契約、設備台帳、竣工図、過去の点検・補修記録を取り出せる
NEDOは、営農型設備の維持管理計画について、所有者が専門家の意見を反映して作成し、点検時期、対象部位、方法を定め、補修内容を供用期間にわたって記録することを基本としています。台風が来るたびにその場で対応を考えるのではなく、平常時から手順を決めておくことが重要です。
台風通過中にしてはいけないこと
通過中は、設備を守ることより人命の確保が最優先です。吹き返しで再び風が強まることもあるため、台風の中心が通過したように見えても、警報や避難情報、周辺道路の状況を確認してください。
- 現地確認のために茶園へ向かわない
- 増水した水路、河川、冠水した農道、崩れかけた法面へ近づかない
- 風でばたつく資材や外れかけたパネルを押さえに行かない
- 浸水したPCSや接続箱を操作しない
- 切れたケーブル、金属架台、飛散したパネルに触れない
- 自分の判断で分電盤、開閉器、断路器を操作しない
非常停止の操作は、設備ごとに定めた手順に従い、事前に役割を与えられた担当者が行います。農家が発電設備の所有者でない場合は、決して自ら操作せず、安全な時点で確認できた異常を事業者へ伝えることが基本です。
台風通過後のチェックリスト
現地へ入るのは、暴風・大雨・洪水・土砂災害の危険が下がり、道路を含めて安全を確認してからです。まず遠隔監視や安全な場所からの目視で全体を把握します。異常が疑われる場合は農家が設備へ近づいて規制するのではなく、設備管理者等が安全な位置から表示や区画を設けるなど、第三者の進入を防ぐ措置を取ります。危険区域への接近が必要な作業は、専門知識を持つ担当者が安全を確保して行います。
最初に確認する「立ち入らないサイン」
次のいずれかが見られる場合は、農作業を再開せず、離れた場所から発電事業者・保守点検担当者へ連絡してください。火災や人命の危険がある場合は119番、電線の垂れ下がりなど送配電設備に関わる場合は一般送配電事業者にも連絡します。
- パネル、架台、支柱が傾いている、外れている、落下している
- ケーブルが切れている、垂れ下がっている、コネクタが抜けている
- PCS、接続箱、受変電設備が浸水・転倒・変形している
- 焦げ臭い、煙が出ている、異常音がする
- 基礎周辺の土が流失し、杭が露出している
- 地面、法面、擁壁に亀裂、膨らみ、陥没、湧水がある
- ガラス片や鋭利な金属部品が農道・茶畝に散乱している
- 冠水が残り、地面や設備の状態を確認できない
NEDOは、モジュールやコネクタが外れかけているだけに見えても、電気的に安全とは限らず、農業従事者が自ら触れないよう周知する必要があるとしています。「少し締めれば直りそう」という判断は危険ですので、避けてください。
専門家が行う設備の臨時点検
- モジュールの割れ、ずれ、浮き、固定金具の異常
- 架台・接合部の変形、ボルト・ナットの緩みや脱落
- 支柱、杭、基礎の傾き、沈下、引抜き、洗掘
- ケーブル、コネクタ、接地線、保護管の損傷
- PCS、接続箱、集電箱、受変電設備の浸水・内部異常
- 絶縁、接地、保護機能、警報、遠隔監視の状態
- 側溝、排水経路、法面、擁壁、周辺地盤の変状
- 敷地外へのパネル、部材、土砂の流出
- 安全な復電・運転再開の可否
NITEは、外観上の異常がなくても設備内部に異常が生じている可能性があるため、台風後の臨時点検と電気的な絶縁の確認を求めています。水没や断線がある場合の切り離し、撤去、絶縁処置なども、設備に十分な知見のある担当者が実施します。
事故が電気関係報告規則の対象に該当する場合、報告義務者は、事故の発生を知った時から24時間以内(可能な限り速やか)に概要(速報)を、事故の発生を知った日から起算して30日以内に詳細(詳報)を管轄の産業保安監督部長へ報告する必要があります。判断に迷うときは、発電事業者または電気主任技術者等が所管の産業保安監督部へ確認します。すべての軽微な不具合が一律に報告対象になるという意味ではありません。経済産業省「事故報告制度について」
農家が確認する茶園の被害
- 茶畝や畝間に滞水していない
- 排水口、側溝、明渠が土砂や漂着物で塞がれていない
- 表土の流亡、土砂の流入、根の露出、地面の陥没がない
- 幼木の倒伏、根元のぐらつき、枝折れ、葉の傷がない
- 被覆資材、支柱、ロープ、留め具が散乱していない
- 被覆棚、防霜ファン、製茶工場など関連施設に破損や浸水がない
- 摘採機・防除機の走行路と枕地に段差、ぬかるみ、障害物がない
- 摘採機・防除機などが浸水していない。浸水している場合は始動せず、メーカーの点検を依頼した
- 沿岸部などでは、葉の変色や萎れなど潮風害の兆候がない
- 茶園外から油、泥、ガラス片などが流入していない
- 被害の位置、範囲、日時を写真とメモで記録した
浸水した茶園では、作業の安全を確保したうえで排水を図り、漂着物や流入土砂を除去します。表土が流亡した場合や幼木が傾いた場合は、地域の農業改良普及センターなどへ相談し、茶樹と地盤の状態に応じて復旧してください。また、農林水産省は、一定程度浸水した農業機械について、エンジン破損、漏電、発火などのおそれがあるため、メーカーの点検を受けるまでスイッチを入れないよう注意を促しています。
農林水産省の技術指導では、強風で茶葉に葉ずれや葉いたみが生じた場合、殺菌剤を散布して病害の発生を防止することが示されています。実施に当たっては、都道府県の病害虫防除所が発表する発生予察情報や地域の防除指針を確認してください。農薬を使用する場合は、農薬登録上の適用作物・適用病害虫、使用時期、希釈倍数、使用回数など、使用時点のラベルに記載された条件を守ります。潮風害が懸念される場合は、安全を確認したうえで、できるだけ速やかに散水して除塩することも同技術指導に挙げられています。設備の安全確認前に、防除や散水を始めてはいけません。
チェックリストを機能させる鍵は「役割分担」
台風対策で最も危険なのは、「誰かが確認しているだろう」と思い込んでしまうことです。少なくとも次の分担を、設備の運転開始前に書面で決めておく必要があります。
| 項目 | 主な担当 | 台風時の役割例 |
|---|---|---|
| 気象・避難情報 | 各当事者 | 作業中止と安全確保を判断する |
| 茶樹・農道・排水 | 営農者 | 安全な時期の事前対策、通過後の被害記録 |
| パネル・架台・基礎 | 発電事業者、施工・保守担当者 | 専門点検、補修、立入範囲の判断 |
| 電気設備・復電 | 電気主任技術者等 | 絶縁・接地等の確認、停止・再開判断 |
| 周辺への影響 | 発電事業者・土地管理者 | 飛散・土砂流出の確認、第三者への連絡 |
| 行政・消防・保険対応 | 契約で定めた責任者 | 事故報告、通報、保険会社への連絡 |
発電事業者と営農者が異なる事業では、とくに連絡窓口の一本化が欠かせません。農家は日常的に茶園を見ているため、小さな変化を早く見つけられます。一方、設備の安全性の評価と補修は、発電事業者と専門家が担うべき領域です。
また、乗用型摘採機が通れる高さや幅を確保した設備であっても、その寸法だけで台風への安全性が保証されるわけではありません。耐風設計、接合部、地盤、基礎、排水、施工品質、経年劣化、保守管理を含めて安全性を考える必要があります。
TEA ENERGYの静岡設備――茶畝3通りを支える約6mスパンの鋼製架台
TEA ENERGYが現在、静岡県内で建設・運用している営農型太陽光設備では、柱と柱の間に茶畝を3通り配置できるよう、柱(杭)の間隔を約6mとしています。柱を細かく立てずに茶園内の作業空間を広く取ることで、乗用型摘採機や乗用型防除機を使う際の走行・作業動線を確保するためです。
※ここでいう約6mは設計上の柱(杭)間隔です。実際に農業機械が使える有効幅は、柱、斜材、基礎などの張り出しを差し引き、使用する機械ごとに確認する必要があります。

TEA ENERGYが静岡県内で建設した営農型太陽光設備。柱間に茶畝3通りを配置する計画で、農作業のための空間を確保している。
ただし、柱の間隔を広げることは、単に柱の本数を減らすこととイコールではありません。NEDOのガイドラインは、営農型設備は一般的な地上設置型設備よりもパネル面が高く、支柱間隔が広いため、強風や地震による変形が大きくなりやすいと指摘しています。広いスパンを採用する場合は、設計上想定する荷重に対し、柱、梁、斜材、接合部、杭を含む架構全体で必要な性能を確保しなければなりません。
今回の設備では、アルミニウム合金製の架台ではなく、主構造に鋼材を採用しています。写真からも、断面の大きな鋼製の柱・梁、繰り返し配置された斜材、ボルトで接合された柱下部などを確認できます。茶畝3通りを配置するための約6mの柱間を確保しながら、風や地震などによって生じる力を架構全体へ伝えることを考えた、重厚な構造です。
構造設計では、JIS C 8955:2017「太陽電池アレイ用支持物の設計用荷重算出方法」を参照し、固定荷重、風圧荷重、積雪荷重、地震荷重などを想定した強度計算を行っています。あわせて、地盤調査でN値などを確認し、地盤条件に応じた杭の根入れ深さを設定するとともに、杭の載荷試験で支持性能を確認しています。構造計算書による確認だけでなく、実際の地盤と杭の性能を確かめることも、安全性を支える重要な工程です。
なお、「鋼製だから安全」「太い部材だから台風でも倒れない」と断定することはできません。鋼材とアルミニウム合金材のいずれも、設計条件に応じて適切な材質・形状・寸法を選べば、架台の材料として使用できます。TEA ENERGYが鋼製架台を採用しているのは、今回の設備で必要となる約6mの柱間、設備の高さ、パネル配置、地域の設計条件などを踏まえた判断です。完成後も、ボルトや接合部、斜材、杭周辺、排水の定期点検と、台風・豪雨後の臨時点検を継続してこそ、設備の安全性を長期にわたり維持できます。
茶園で必要となる作業空間の考え方は、「乗用摘採機は通れる?営農型太陽光の高さ・支柱間隔を茶園目線で考える」で詳しく解説しています。
TEA ENERGYの営農型太陽光発電では、茶農家が保有する茶刈機に合わせた設備設計や、架台を碾茶の被覆棚として活用する仕組みを提案しています。導入を検討する際は、平常時の作業性だけでなく、構造設計、地盤・基礎、排水、災害時の連絡、立入制限、点検、復旧まで含めて計画することが重要です。
よくある質問
Q.停電すれば、太陽光パネルには電気が流れていませんか?
停電やPCSの停止だけで、すべての電気がなくなるとは限りません。パネルに光が当たれば発電を続けるため、パネル側には電圧がかかり続けます。破損・浸水した設備や切れたケーブルには触れないでください。
Q.外れかけた部品を農家が締め直してもよいですか?
原則として、自分で触れず設備管理者へ連絡してください。電気的に危険な箇所を外観だけで判別することは困難です。高所作業には転落の危険もあり、誤った締付けは部材を損傷させる可能性があります。
Q.見た目に異常がなければ、すぐ農作業を再開できますか?
大きな台風の後は、遠隔監視の異常、浸水、絶縁、基礎や地盤など、外から分からない問題がないか設備管理者に確認してください。農道の陥没、ぬかるみ、ガラス片なども点検し、安全が確認できるまで機械を入れないことが大切です。
Q.被害写真は片付ける前に撮るべきですか?
人身の安全を確保し、危険物へ近づかずに撮影できる場合に限り、全景と位置関係を記録します。復旧判断、原因調査、保険手続、再発防止の資料になります。ただし、撮影のために危険区域へ入ってはいけません。
まとめ 台風対策は設備点検と茶園管理を一つの計画にする
営農型太陽光発電の台風対策では、パネルだけでなく、架台、基礎、地盤、排水、電気設備、茶樹、農道を一体として確認する必要があります。伊賀市の倒壊事例が示すように、豪雨による地盤の緩みと強風が重なることもあります。
台風前は、飛散物と排水を確認し、設備の専門点検と緊急連絡体制を整える。通過中は現地へ行かない。通過後は安全な場所から異常を確認し、破損・浸水した設備には触れず、専門家の判断を受ける。この順序を守ることが、人、農地、設備、周辺地域を守る基本です。
TEA ENERGYでは、茶園への営農型太陽光発電の導入について、農作業と設備管理の両面からご相談を受け付けています。茶刈機の動線、架台を使った被覆、排水、導入後の役割分担まで確認したい方は、お問い合わせページよりご相談ください。
※本記事は2026年9月6日時点の公表情報を基にした一般的な解説です。設備の構造、出力、保安体制、立地条件によって必要な措置は異なります。実際の点検・停止・復旧は、設備の保安規程、取扱説明書、契約上の役割分担、行政機関や専門家の指示に従ってください。
参考資料
- NITE「台風による太陽電池発電所での電気事故 3件に1件は第三者の物件への被害が発生」
- NITE「台風事故リスクを低減するための対応ポイント」
- NEDO「営農型太陽光発電システムの設計・施工ガイドライン2025年版」
- 経済産業省「破損・浸水した太陽電池発電設備による感電事故防止について」
- 経済産業省「事故報告制度について」
- ノータスソーラージャパン「台風7号による当社伊賀テストプラントの被害状況について」
- 農林水産省「台風第7号・第8号及び梅雨前線の影響による大雨に伴う農作物等の被害防止に向けた技術指導の徹底について」
- 京都府「台風接近に伴う被害対策について」
- 気象庁「台風情報」
- 気象庁「キキクル(危険度分布)」
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